Q.E.D.Project架け橋 初期代表
九州大学工学部建築学科4年(休学中)
宮城県気仙沼市/岩手県釜石市在住
田中 惇敏(Atsutoshi TANAKA)
【はじめに】
一人の百歩より百人の一歩
自分は2012年3月9日〜4月2日にかけて石巻、福島、山元町、そして、気仙沼でボランティア活動をしてきました。
現地では子どもちゃん達に元気を貰い、温かい東北の方々の人柄に触れ、とても多くのことを学び、本当に大切なものがなにかを考えることの出来るような良い経験をさせて頂きました。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
【ボランティアを経験してみて考えたこと】
ボランティアを終えてまず思ったことは、東北の暖かい人柄がこれからも残って欲しい、元気をくれた子どもちゃん達の将来が明るくあってほしい、ということでした。
そして、九州の方々に東北で起こったことを忘れて欲しくない。自分が体験したような人生観が変わるような、濃くて深い経験をみんなにも体験してほしい。
そのために、自分に出来ることは何か。
【まずやってみたこと、そしてきづいたこと】
始めはまず自分が東北の現状を九州の学生に向けて発信しようと思い、「話してみよう、東北のこと。」という団体を立ち上げました。その団体で、「復興支援活動に興味はあるけれど、現地での支援活動には行けていない」方々と意見交換を行いました。そこでお話した方々の中には、現地に行くハードルがあと少し下がれば行ってみたいという方々が多くいらっしゃいました。
そして、自分一人の力には限界があるとも思いました。
【熱い気持ち】
報道もされているように現地のニーズは多様化しています。しかし、現地に行けば分かりますが、まだまだマンパワーと元気は必要とされています。
そして、何より「人のためになりたい。」という気持ちに理由なんていらないと思います。復興支援ボランティア活動に携わりたいという熱い気持ちを持っている学生が九州にいるのであれば、自分はそんな方々の気持ちをどうにかしたい。
【団体を立ち上げたわけ】
けれども、熱い気持ちだけではなかなか支援活動は続けられないものです。そこで起業有志団体Q.E.D.(九州大学の授業の一環として行われているQRECという起業・経営の学習の場から生まれた団体)の代表でもある自分だからこそQRECで学んだ団体運営のノウハウを活かして継続的な復興支援活動が可能になるはずだ、そして東北の方々のニーズに応えることが出来る団体を立ち上げることが出来るはずだという答えにたどり着きました。
【自分たちにしかできないこと】
ただ忘れてはいけないことは、九州にいる自分たちは、東北からとても遠いところにいる存在だということです。それだけに、東北の方々との繋がりを持つことはとても難しくなってしまう。しかし、自分は春に現地でボランティア活動をしたことで現地の方々や地域コミュニティとの関係を作ることが出来たので、九州と東北を結ぶ架け橋に自分はなれたと思っています。だからこそ、九州と東北との繋がりづくりといったような、他のボランティア団体が出来なかったことや、逆に、現地のニーズに合った活動という、九州で活動している他団体が出来なかったことも出来るはずだと自分は確信しています。
【ボランティア参加の意義】
ボランティアに行くということは現地のためになるだけではありません。先程も述べましたが、ボランティア参加者は現地での非日常を体験することにより本当に大切なものが見えてきます。例えば、自分と同じ気持ちを持った学生ボランティアの方と交流することで新しい考え方に触れることができます。予想のつかない状況で対応できる能力を得ることが出来ます。そして、なにより現地の方々やボランティア団体の方々とお話をすることで、人間として大きく成長することができます。
そのような経験を提供することが自分たちの最大の目標であるので、是非多くの方に「行こう、東北へ。」プロジェクトに参加していただいて、貴重な経験を一緒に出来たらと思っています。
ただ、ボランティアとはキレイなものというだけではないのです。自分は夏休み2ヶ月間は東北に滞在するため、現在筋トレ・ランニングをしていますが、それでも疲れで倒れそうになるほど、ボランティアとは体力と気力のいる泥くさい活動でもあるのです。
しかし、そのようなつらさも経験するからこそ、上記のような得るものがたくさんある経験ができるのだと思っています。
【最後に】
自分たちが活動できているのは、多くの方々のおかげでもあります。私たちの活動に賛同していただいたり、私たちの活動の成功のために協力をしてくださる方々の気持ちも忘れずに活動していきたいと思っております。
自分自身もまだまだ発展途上です。しかし、だからこそ、東北の復興に向けて本気で様々なアプローチから取り組んでいきますし、自分に正直に頑張ります。
自分一人で出来ることは微力です。しかし、『一人の百歩より百人の一歩』というように、みんなで協力すればなにかできるはずです。
ぜひ皆様のお力をお貸しください。
(2012年5月1日)